フーコーの振り子とジャイロスコープ
地球の自転 -レオン・フーコーとジャイロスコープ-
「地球は自転している。」 |
この発見は、1851年1月6日午前2時ちょうどだった。
長さ2メートルの鋼鉄製ワイヤーの一端を自宅の地下室天井に固定し、しかもねじれることなくそれが自由に回転できるように工夫した。ワイヤーのもう一方の端には、重さ5キログラムの真鍮製のおもりが取り付けられた。こうしてフーコーは、天井から吊り下げられ自由に揺れ動く振り子を完成させた。
この振り子は、いったん動き出せば、その反復運動の形作る平面がどんな方向にも変化できるようになっていた。この特長を持たせるための仕掛けを設計するのが、準備の中でもっとも困難な部分である。
振り子の運動を開始させると、フーコーの目の前でおもりがゆっくりと揺れ動き、おもりの揺れ動く面が徐々にはっきりと目に見える変化を起こした。振り子が天球の日周運動の方向に移動していた。それはまるで、悪魔の手が邪魔をして、振り子を徐々に押しやっているかのようだった。レオン・フーコーは、まさに地球の自転を目撃したのである。
その後、この実験をより確実にするため、より良い条件のパリ天文台や南半球のブラジルで実験することとした。そこに参加した科学者や観衆も、地球の自転を実感したのである。
しかし、多くの人々が振り子実験の複雑さを理解できていないことにフーコーは気づいた。それは、地球と振り子を吊るしている点の両方が自転する一方で、振り子の「振動面」が固定されているとは、いったいどういう意味なのか、ということである。フーコーは、このような複雑さをすべて取り除いた形で地球の自転を証明できるように別の装置を考案した。それが、地球ゴマの元祖「ジャイロスコープ」である。
それは、ひもやワイヤーにねじれの力が加わらないように工夫し、支柱と一緒に回転することのないような振り子を吊り下げれば、振動面は地球の自転に関係なく一定となるという「フーコーの振り子」の原理から、回転する物体を空間内に固定し、その「回転面」を移動させるような力が加わらないように工夫すれば、同様の現象が起こるはずだと考えた。つまり、地球と独立に運動する物体、すなわち「孤立した小さな星」だったのである。
フーコーが思いついたのは、小さな真鍮製のトーラス(ドーナツ型の物体)の中心に金属製の円盤を取り付け、そこに棒を通したものであった。そして、このトーラスが自由に回転し、三次元空間内でその方向が一定に保たれるように、それをジンバル(常に水平が保たれるような機械的仕掛け)で固定した。さらに、歯車を備えた付属装置を用いることで、一連のギアやハンドルを通してトーラスを高速回転させられるようにした。フーコーは、「回転を見る」という意味のギリシャ語からこの装置を「ジャイロスコープ」と名付けた。
地球の自転を証明できたのが、なぜフーコーだったのか?
フーコーは、正規の専門教育をまったく受けていなかったにもかかわらず、自然界を理解し身の回りの物理世界を感じ取る能力を生まれつき備えていた。この本能ゆえ、何を探し、どのような準備をし、そしてどのようにそれを見つければ良いのかを知っていたのである。そして何より手先が極めて器用で、複雑な装置を極めて高精度かつ入念に設計し製作することができたのである。
参考文献:フーコーの振り子-科学を勝利に導いた世紀の大実験
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