
ストームグラスとは
ストームグラスとは19世紀に航海時に天候を知るために用いられた天候予測機のこと。
気象条件により管の中に入っている結晶が様々な形に変化します。中に現れる結晶の様子が「明日の天気」を教えてくれると言われている、とってもロマンチックな「科学玩具」なんです。

管の中の液体と結晶の変化により6時間から12時間後の天候の予測が出来るストームグラス(天気管)です。このストームグラスは19世紀に航海の時に海の天候を予測するために発明された道具です。
ストームグラスのヒミツ!なぜ結晶が変化するのか?
ストームグラスが天気を予測する(と言われている)裏には、主に「温度と物質の変化」という科学のヒミツが隠されているのです。
- 特別な液体と結晶の材料:
ストームグラスの中には、水とアルコールが混ざった液体と、そこに溶け込んでいる「カンフル(樟脳:しょうのう)」という特別な白い結晶の材料、そして他のいくつかの化学物質が入っている。 - 温度が変わると「溶け方」が変わる!:
- 水に砂糖を入れると溶けるように、カンフルも液体に溶けている状態。
- 液体の温度が変わると、カンフルが「どれくらい溶けるか」が変わるという性質がある。
- 暖かくなると(温度が上がると): カンフルは液体にもっと溶けやすくなるから、結晶が減って、液体が透明になることが多い。
- 寒くなると(温度が下がると): カンフルは溶けにくくなるから、液体の底や真ん中に、たくさんの結晶が「フワフワ」と現れたり、枝のような形に「ニョキニョキ」と生えてきたりするんだ。

結晶の形が教えてくれる天気予報!?
ストームグラスは、この温度による結晶の変化を使って、昔の船乗りたちが天気を予測するのに使っていたんだ。

もちろん、これは主に温度の変化を見ているものなので、科学的な天気予報と同じくらい正確ではないかもしれないけれど、昔の人が自然の変化をよく観察して、工夫して使っていたんだね。
もしかしたら、温度以外にも、「気圧(空気の重さ)」や「電磁波」のような目に見えない他の空気の変化も、結晶の形に少し影響を与えているのかもしれない、と考えられていて、それがストームグラスのさらなる魅力になっているんだ。
ストームグラスの歴史と発見者:フィッツロイ提督とダーウィンの航海!
このような原理を応用した気象予測の道具を別名、「フィッツロイの天気管」とも呼ばれています。フィッツロイ(ロバート・フィッツロイ)とは、英国海軍に入隊後、探検航海などの艦長を務めあげニュージーランド総督に指名された人物。
その船、ビーグル号(“種の起源”の著書で有名なチャールズ・ダーウィンが、ガラパゴス諸島を来島した船)で使われていた当時の天気予報の道具であるストームグラスをもとに、気象予報の装置である「フィッツロイバロメーター」(温度計・気圧計付き)を考案しているのです。
ストームグラス原理の発明者ではありませんが、航海に使う気象道具の一部として採用していたことで、「フィッツロイ」の名は有名です。これらの原理に基づいた気象予測管はその名が付けられることが多いようです。

ストームグラスは、日々の暮らしの中で、ふと足を止めて、ガラスの中の小さな世界と、そこから広がる大きな空の変化に思いを馳せるきっかけをくれる、美しい科学玩具なんだ。
インテリアとして人気のストームグラスは色んなカタチの物が販売されている。
知的なインテリア雑貨としてもお部屋に置きたいアイテムだね。
色々なカタチのストームグラスを見てみる?


