
階段を降りる不思議なバネのダンス!
金属の細長いバネが、手から手へ、あるいは階段を一段ずつ、まるで生きているかのようにゆらゆら、ビヨーンと伸縮しながら降りていくおもちゃで遊んだことがあるかな?それが「スリンキー」や「トムボーイ」と呼ばれる、面白いバネのおもちゃのこと!
このバネのおもちゃは、ただ遊ぶだけでも楽しいけれど、実は「重力」や「エネルギー」といった物理学がぎゅっと詰まった、最高の「科学玩具」なんだ!
見えない力が、どのようにしてあんなに不思議な動きを作り出すのか、一緒に探検してみよう!
まずはバネが階段をどうやって降りていくのか、漫画で説明するね!



スリンキーのヒミツ!なぜ階段を降りられるの?
「重力(じゅうりょく)」の引っ張る力:
スリンキーには重さがあるから、地球の「重力」に引っ張られて、いつも下へ落ちようとしているよね。これが階段を降りる一番の理由。
バネの「弾性(だんせい)」の力:
バネは、引っ張られたり縮んだりすると、元に戻ろうとする強い力を持っているよね。
これを「弾性」というんだ。スリンキーが階段を一段降りて、上の部分が下の部分に追いつこうとするとき、バネがグーッと縮んで、また元の長さに戻ろうとする力が生まれるんだ。
この力が、次の段へ「ポンッ」と進むための手助けをしているよ。
「運動エネルギー」と「位置エネルギー」のバトンリレー:
スリンキーの動きは、「エネルギーのバトンリレー」で考えることができる。
- まず、スリンキーが階段の高いところにあるとき、「位置エネルギー(高いところにあるものが持っているエネルギー)」をたくさん持っているんだ。
- それが一段落ちると、その位置エネルギーは「運動エネルギー(動いているものが持っているエネルギー)」に変わる。
- この運動エネルギーは、スリンキーの上の部分から下の部分へと、バネの伸縮を通じて波のように伝えられるんだ。
- 下の部分がこのエネルギーを受け取ると、次の段へと勢いよく進み、また高い位置へ持ち上げられることで、再び位置エネルギーに変わる。この「位置エネルギー → 運動エネルギー → バネの弾性エネルギー → 運動エネルギー → 位置エネルギー…」というバトンリレーが、ずっと繰り返されることで、スリンキーは階段を降り続けるんだ。

スリンキーの誕生秘話!リチャード・ジェームズ氏の偶然の発見!
スリンキーを発明したのは、今から80年くらい前の1943年、アメリカ海軍のエンジニアだった「リチャード・ジェームズ(Richard James)」氏という人だよ。
彼は、船の上で精密な機械を固定するための「バネ」を開発しているときに、たまたま棚からバネを落としてしまったんだ。そのバネが、床に落ちてから、まるで生きているかのように動き出し、それをきっかけにこのおもちゃのアイデアが生まれたんだって!偶然の出来事から、こんなにも面白い科学玩具が生まれたなんて、すごいことだよね。その後、1945年に「スリンキー」という名前で販売されるようになり、世界中で大人気になったんだ。

日本では「トムボーイ」とい名前で横浜の港北区にあった「三光発条株式会社」が製造した本物志向のバネの玩具が1960年代に人気だった。そもそも本当のバネ屋さんが作った玩具っていうのがスゴイよね。

バネのおもちゃで学べること
- エネルギーの移り変わり: 位置エネルギー、運動エネルギー、バネの弾性エネルギーが、どうやって形を変えながら伝わっていくのかを、目で見て体感できるよ。
- 重力の働き: 重力が物体にどう働くのか、その影響を観察できるよ。
- バネの性質: バネが持つ「元に戻ろうとする力(弾性)」が、物の動きにどれだけ大切かを学べるよ。
- 波の動き: エネルギーがバネの中を波のように伝わっていく様子を、遊びながら理解できるよ。
- 観察力と探究心: 「なんでこんな動きをするんだろう?」という疑問から、科学の探究心が生まれるきっかけになるんだ。
スリンキーやばねの玩具はこちらで販売されているので覗いてみて!


